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お寺を通りかかると素晴らしい名言に出くわすことがありますね。昼休みにピクニック感覚で弁当を持って公園で食べることがありますが、よく徳円寺に名言が書かれているのでたまに写真を撮っています。

「人間は一生を通して誰になるものでもない 自分になるのだ」。このご指摘には大事なことを気付かされました。

誰かを目標にしてはいけないということでは決してないと思います。真似をするというのは最も大事な学びだと思います。

ただ忘れてはいけないのは、良くも悪くも自分は自分であるということ。できることとできないことがあります。

自分には自分が得意なことがあるはずです。それを見ないで、もしくは探す前に、他の誰かが得意なことをやろうとしても同じ結果はそう出ません。

自分という世界で一つの存在が、なぜかそれほど苦労せずにできることや、何度挑戦してもうまくいかないことがあります。

そんなとき、うまくいかないことにいつまでもしがみつくのではなく、うまくいくほうに時間とエネルギーを使ってみるのは良いことだと思います。

どうしてもこれが好きなんだという気持ちも、先天的なものではなく後天的なものかもしれないからです。それを好きになるまでには、必ずや何らかのきっかけや巡り合わせがあったはずです。だとしたら、これまでの人生で同じだけの機会があったとしたら、全く違うことを運命の仕事と思っていたかもしれません。

自分の得意なことをやり続けていると自然と楽しくなっていきます。その仕事が好きになっていきます。そしてそれこそが自分のライフワークだと感じるようになるでしょう。

そのライフワークをやっているうちに、新しくチャレンジしたいことも出てくるかもしれません。そのときは異分野であっても精一杯チャレンジする価値があります。なぜかというと、上記の理由と同じことです。

これは私の経験則から書いています。私にはどうしても諦められないものがありましたが、悩んで悩んで、悩んでも先に進まないので(人生にもタイムリミットがあります)、捨て去るという決断をしてきました。

そして得意なものに集中したのです。具体的に書くと、商品を創るということができませんでした。全くアイデアが浮かばないのです。その代わりに、商品を選ぶことが得意でした。

さらには、ショールームの空間作りは専門ではないのですが、よくご来店のお客様から褒められて、和樂という素晴らしい雑誌に2年連続掲載していただきました。

今はオンラインストアの入り口としてのショールームを国内外に作っていくという新たなライフワークに取り組んでいます。オンラインストアとショールームの両輪が回り出せば、どんなに楽しい未来になるかを考えるとワクワクが止まりません。

これを読んでいただいた方にとって何かの参考になれば幸いです。